原子間力顕微鏡(AFM)のアサイラム リサーチ

製品 アプリケーション イメージギャラリー サポート 会社概要 リンク

2013.11.7

   blueDrive™ フォトサーマル励振法                                
 


優れたトポグラフィやナノメカニクス他のための タッピングモードを再開発しました。
アサイラムリサーチのCypher原子間力顕微鏡(AFM)ファミリー(Cypher S™,Cypher ES™)用のblueDriveフォトサーマル励振オプションにより、タッピングモード・テクニックをよりシンプルに、より安定に、そしてより定量化することができます。タッピングモードはAFMの世界では、誰もが認める卓越したモードであり、単なる形状の測定だけでなく、力学的、電気的、そして磁気的な特性も測定できます。通常、カンチレバーを振動させるために、圧電体による機械的励振が利用されています。圧電体による励振はそのデザインの簡潔性から幅広く利用されていますが、カンチレバーの応答はその理想からはしばしば大きく外れることがあります。アサイラムのblueDrive励振機構は、カンチレバーだけを光熱的に直接励振することによりほぼ理想的な応答を生みます。これによりあらゆるタッピングモードのテクニックに対して有意性のある特性と使い易さを提供できるようになりました。
  • 非常にシンプル

  • 信じがたいほどの安定性

  • 驚異的な正確さ



blueDrive 紹介記事へ

カルサイト上の単一点欠陥のイメージ。
水中でblueDriveを使用してイメージングを行いました。




blueDrive™に関するFAQ

1) blueDriveは新規のイメージングモードなのでしょうか?
2) blueDriveの利点は?
3) blueDriveは探針とサンプルの両方、もしくはそのいずれかを加熱するでしょうか?
4) blueDriveのセットアップは複雑でしょうか?
5) blueDriveは特別なカンチレバーが必要でしょうか?
6) blueDriveとiDriveや他の磁気駆動ACモードとの違いは何ですか?
7) blueDriveは典型的なタッピングモードとは異なるでしょうか?
8) blueDriveではどんなタッピングモードテクニックが使えますか?
9) blueDriveは周囲温度の変化、あるいはサンプルの加熱、冷却の影響を受けるでしょうか?
10) blueDriveは液中で機能しますか?
11) blueDriveは液中イメージングで明確な利点があるでしょうか?
12) blueDriveは高速スキャニングでしょうか?
13) blueDriveは大気中で役立ちますか?
14) blueDriveに何か欠点がありますか?
15) ブルーレーザーはどうやって合わせるのでしょうか?
16) blueDriveはMFP-3D AFMで利用できるでしょうか?
17) どれぐらいの振幅をドライブできますか?
18) どれぐらいの周波数をドライブできますか?
19) blueDriveのレーザーの波長として405nmを選択したことには特別な理由があるのですか?
20) ブルーレーザーのスポットをカンチレバーに沿って精密なステップで正確に移動できますか?
21) ブルーレーザーの位置を決める際に、プローブ上で優先的な位置はあるのでしょうか?
22) レバーの根元にブルーレーザーを照射することを推奨する理由は?
23)光量子の圧力はカンチレバー発振をドライブする上でどんな役割を果たしていますか?
24)カンチレバーはなぜ1kHz以下と8MHz以上で励振できないのでしょうか?
25)blueDriveはCypherの標準装備品ですか、それともオプションすか?
26)blueDriveは高電圧CypherやCypher ESに互換性がありますか?
27)blueDriveでV型カンチレバーを励振することができますか??
28)blueDriveは、圧電ドライブに比べて、カンチレバーの頻繁な交換が必要になりますか?


1) blueDriveは新規のイメージングモードなのでしょうか?#Questions

違います。blueDriveは新しいイメージングモードではありません。blueDriveはアサイラム リサーチのCypher AFMのオプションで、従来のカンチレバーのドライブ機構を光熱励振に置き換えることにより、すべてのタッピングモード(ACモード)を改善するものです。タッピングモードは、そのすべてにおいて、カンチレバーをその共振近傍で発振させることに基づくテクニックです。ほとんどの場合、プローブ付近のどこかに設置した小型のピエゾがドライブエネルギーを与えていて、これは圧電音響励振法として知られ、最も利用されています。blueDriveは代わりに、カンチレバーの根元に焦点をあわせたブルーレーザーを利用します。レーザーのパワーを変調して、カンチレバーに小さい局所加熱を引き起こし、カンチレバーを変調周波数で曲げて発振させるものです。光熱励振として知られるこの方法は、カンチレバーを直接ドライブするために、非常にクリーンで安定なカンチレバー応答を提供します。多大な使い易さと特性の利点があります。


2) blueDriveの利点は?#Questions

blueDriveによるカンチレバードライブ応答は、大気中と液中の両方で、圧電音響励振によるよりも、はるかにクリーンで安定です。そのためにいくつかの使い勝手の良さと特性の利点がもたらされます。まず第1は、カンチレバーの設定と“チューニング”が非常に簡単であることです。従来の圧電音響励振ではAFMの中の他の機械共振を励起してしまい、それが応答の中にカンチレバーの共振と一緒に表れます。特に液中では、これが“ピークの森”として表れ、正しいドライブ周波数を見つけることを非常に困難にします。もっとも大気中でも、カンチレバーチューンがしばしば歪められ、非対称なピーク形状からもっとひどいピークの分岐に至るまで様々な形で現れます。一般的には、こうした歪みはカンチレバーの欠陥やオペレータの誤りによるものではなく、むしろ通常のプローブの取り付け方のバラツキからくるもので、これがドライブ応答に影響を与えています。blueDriveはチューニングプロセスを複雑にする余分な共振はなく、プローブの取り付けによるバラツキによる影響はありません。チューンが非常にクリーンであるため、オートチューンの簡便な操作が液中でもしっかりと機能します。

第2は、blueDrive応答は時間と温度変動に対して信じがたいほど安定です。カンチレバーをいったんチューンすると、ドライブ応答(つまり、振幅)が実際に一定に保持されます。そのために探針が表面からドリフトして離れたり(応答が降下した場合)、あるいはより強い力でタップしたりする(応答が増大した場合)ことなく、元の(“自由空気”)振幅に非常に近いセットポイント(試料に作用する力)を保持することができます。圧電音響励振ドライブを使っている場合、皆さんは、最適なトラッキングを維持するために恐らくはしょっちゅうセットポイントを調整しているのではないでしょうか。このことは大気中でも起きますが、液中でははるかに顕著です。カンチレバー応答は液滴の容積とともに大きく変化し、そのために圧電音響励振を使っている場合には、液の蒸発とともにその応答は劇的に変化します。同様に、部屋と装置の温度の変化が圧電音響応答に強く影響を及ぼし、それはカンチレバー自体の真の共振周波数シフトよりも、際立ってずっと大きいものです。blueDriveはこうした温度変化によるアーティファクトには耐性があります。blueDriveカンチレバー応答が変化したとするならば、それはカンチレバー共振が実際に変化したためであると断言できます。

最後に、blueDriveにより、AM-FMコンタクト共振粘弾性マッピングモードといったテクニックを使ってより定量性のある結果を得ることが可能になります。カンチレバー応答は、保存性と散逸性の探針-サンプル相互作用の両方に非常に敏感です。これらのモードはカンチレバー応答をモニターして、それを分析し、サンプルの弾性モジュラスや損失モジュラスのような情報を抽出します。blueDriveを使うことにより、カンチレバー応答は、理論的に予測されるものに非常に近いものになり、その分析において不確かさを減少させることができます。


3) blueDriveは探針とサンプルの両方、もしくはそのいずれかを加熱するでしょうか?#Questions

blueDriveによる探針とサンプルの加熱の影響について広範囲にわたって調査し、その結果有害な影響は一切ないことが判明しております。ブルーレーザーは大きい局所熱勾配を発生させることができますが、探針とサンプルの加熱を大きく制限する多数のファクターがあります。

blueDriveレーザーのパワーはかなり低く、通常約1mWで、多様なカンチレバーやドライブ条件の必要に応じて、下げたり上げたりします。通常の操作中は、レーザーはカンチレバーの根元(サブストレートの近傍のプローブ上)に合わせられ、微小スポットに焦点を合わせられています。したがって、熱の大部分がプローブのサブストレート、プローブマウント機構、AFMの他の部分に伝わり、結果的に残るパワーは無視できるほどわずかです。微小なカンチレバーであっても、カンチレバーを通過して漏れ出る光はほとんどなく、そのため、サンプルに入射する光はほとんどないことになります。一般的な走査型サーマル顕微鏡カンチレバーによる測定で、通常の操作中に探針自体に測定される温度上昇は一切検出されませんでした。

温度に非常に敏感な相分離脂質二重層のサンプルを測定し、サンプルの加熱を注意深くテストしましたが、いかなる有害な影響も観察されることがありませんでした。これらの結果から、blueDriveは通常の操作中にはサンプルに対しては、無視できるほどの熱影響しかないと結論を下すに至りました。


4) blueDriveのセットアップは複雑でしょうか?#Questions

いいえ。blueDriveのセットアップと使用方法については、複雑なところは一切ありません。標準のCypher AFMではカンチレバーの振れを検出するIRレーザーのための “スポットオン”という機能がすでに装備されています。これにより、カンチレバーのビデオビュー上で合わせたカーソルをただクリックするだけで、レーザースポットを自動で希望の位置に移動させることができます。blueDriveも同様に機能します。焦点を合わせたいスポットのカーソルを単にクリックするだけです。IRレーザーのために一回クリックし、blueDriveのためにもう一回クリックする、それで終わりです。プローブ交換時に、同じタイプのものに交換する場合は、もっと簡単になります。IRスポットとblueDriveスポットを一緒に移動させることができるので、1回のクリックですみます。両方のレーザースポットはビデオビューで見えるため、それらが正しく整列したことが即座に分かります。あとはカンチレバー共振をチューンするだけです。すでに解説しましたように、blueDriveでのカンチレバーチューンは、通常の圧電音響励振と比較して、はるかに容易です。

blueDriveはAFMの設計を複雑にしていることは確かですが、そのセットアップや使い方に関してはそんなことはありません。blueDriveは、ブルーレーザーを導入するに際し、洗練された光学電子技術を使用しています。アサイラム リサーチはこの技術をAFMに提供している唯一の会社です。Cypherのモジュールによる光学設計がこれを可能にしています。


5) blueDriveは特別なカンチレバーが必要でしょうか?#Questions

不要です。blueDriveは特別なカンチレバーは不要です。金コートのカンチレバーで最良に機能しますが、多数のプローブはその反射率を高めるために既に金コートされています。blueDriveはまたコートなしのカンチレバーでも機能します。これによりblueDriveは、<0.01N/mから>40N/mのバネ定数と、従来サイズのカンチレバーおよび微小で高速のカンチレバーの両方の、広範囲のプローブで容易に動作させることができます。アルミコートのプローブだけはblueDriveとの併用には推奨していません。通常そうしたプローブは、コートのないもの、あるいは金コートされたもののいずれかが用意されています。


6) blueDriveとiDriveや他の磁気駆動ACモードとの違いは何ですか?#Questions

アサイラム リサーチを含むいくつかの企業で、タッピングモード用の磁気駆動のオプションを発売しています。アサイラムではこれを“iDrive”と呼び、磁界の中でV字型のカンチレバーの脚の部分に交流電流を通し、カンチレバーをドライブする振動磁気力を生むことにより動作させるものです。他社ではまた別のアプローチが採用されていて、それは磁気コートした特殊なカンチレバーを、近くのコイルで発生した外部磁界でドライブするというものです。この方法は、ドライブコイルの比較的大きいパワー消費による顕著な熱発生をともなうためにドリフトを招きます。実際には、このアプローチのドライブ応答は期待するほどはクリーンではありませんが、それは恐らくは他の近くの磁気成分とのカップリングのためであると考えられています。磁気駆動の両アプローチは共に特別なカンチレバーを必要としていて、限られたバネ定数のものしか用意されていなかったり、探針曲率がコートのために大きかったり、標準のプローブに比べて高額であったりします。磁気駆動はほとんど液中イメージング専用に利用されており、より短い、高速のスキャニングカンチレバーには実用的ではありません。

これに対して、blueDriveは大気中と液中の両方で動作します。広範囲の各種の標準プローブが利用でき、微小・高速スキャニングプローブとの互換性があります。これらの差異がblueDriveをより多目的に使えるようにし、より多機能にしています。


7) blueDriveは典型的なタッピングモードとは異なるでしょうか?#Questions

繰り返します。blueDriveは新しいイメージングモードではなく、フルレンジのタッピングモードテクニックの使い勝手と特性を改善する新規のプローブのドライブメカニズムです。


8) blueDriveではどんなタッピングモードテクニックが使えますか?#Questions

blueDriveはCypher AFMでサポートされているすべてのタッピングモードテクニックと一緒に機能します。その中には、タッピングモードによる従来の形状イメージング、位相イメージング、磁気力顕微鏡(MFM)、電気力顕微鏡(EFM)、ケルビンプローブフォース顕微鏡(KPFM、SKPM、表面電位イメージング)、ロスタンジェントイメージング、およびAM-FM粘弾性マッピングモードが含まれています。blueDriveは従来のAMモード(振幅フィードバック)、FMモード(周波数フィードバック)およびデュアルAC共振トラッキング(DART)のような専用モードを含む、アサイラムがサポートしているフィードバックモードにも互換性があります。カンチレバーをコンタクト共振粘弾性マッピングモードで駆動することもできます。これは通常タッピングモードテクニックとはみなせないかもしれませんが、内部ではカンチレバー共振駆動を使用しています。


9) blueDriveは周囲温度の変化、あるいはサンプルの加熱、冷却の影響を受けるでしょうか?#Questions

受けません。blueDriveは意図しない室内温度変化や意図したサンプル加熱冷却の両方で、カンチレバー応答が影響を受けることはほとんどありません。熱機械的駆動のプロセスはカンチレバーの根元に高く局所化されるため、周辺環境がその応答にインパクトを与えることはほとんどありません。


10) blueDriveは液中で機能しますか?#Questions

もちろん機能します。blueDriveの利点のいくつかは、特に液中に関連するところで得られます。blueDriveは水だけではなく、幅広い液中で機能します。圧電音響励振によるタッピングモードでは粘性の非常に大きい液中で通常、問題になっていましたが、blueDriveはイオン液体のような非常に粘性の大きい流体中でもカンチレバーをドライブすることができます。


11) blueDriveは液中イメージングで明確な利点があるでしょうか?#Questions

液中の動作では、blueDriveは際立つ特長がいくつかあります。まず、カンチレバー共振のチューニングがずっと簡単であることです。共振のピークがひとつで、クリーンなピークが見えます。お好みで自動チューン機能を使うこともできます。より高い周波数を使いたい場合には、高次モードの共振や高調波も見つけることもできます。これらは、もちろん実際のカンチレバー応答の一部ですが、1次の共振よりも振幅が小さいことや、周波数が遠く離れているために、見分けるうえで問題や混乱を引き起こすことはないでしょう。もっと重要なことは、液中の圧電音響励振で生まれる“ピークの森”が現われないことです。いわゆる“直接駆動”と呼ばれている圧電駆動カンチレバーホルダーでさえ、液中では非常に乱雑で複雑なカンチレバー応答を示します。一般的な回避策は、まずサーマル応答を測定するやりかたです。これは確かに真のカンチレバー応答を見出しますが、次に使用する圧電音響ドライブ応答では広いサーマル共振ピークの中に多数のピークが出てくることがあります。残念ですが、この方法でも上手くいったりいかなかったりで、最高の応答を見出すには多くの試行錯誤が必要になります。時には、すべての共振の近傍で、希望の応答がないということもあります。

液中の圧電音響ドライブの他の特性として、カンチレバーが表面上方のどのくらいの距離にあるのかということに、応答が強く左右されるということがあります。カンチレバーを表面上大きく離れたところでチューンしてインゲージさせるときに、振幅は、カンチレバーが実際にサンプル近くにくるずっと前から、しばしば変化し始めます。いったんインゲージしてから表面近くで再度チューンすると、しばしば非常に異なる応答が見え、いくつかのピークが消えたり、新しいものが出てきたり、ほかには振幅が変化したりします。これが複雑な圧電音響ドライブのメカニズムの結果であり、そこではプローブホルダーの共振やAFM全体、そして流体そのものさえもが測定される応答に寄与しています。blueDriveではこうした影響は出てきません。カンチレバーはサンプルに接近する際にカンチレバーが直接ドライブされているために、その振幅は非常に安定です。探針がサンプルと相互に作用し始めた時にだけ、振幅の変化が観察されます。これにより安定で、表面に優しいイメージング条件を容易に得ることができます。

blueDrive応答は液体の容積の変化にも影響を受けることはありません。イメージング中に液体が蒸発しても、液体がカンチレバーの周辺に残っている限りは、その応答あるいはイメージングの安定性に変化はありません。これは圧電音響励振法には当てはまりません。液体が蒸発するに従い、液体の容積自体が変わり、このことが測定される応答に影響を及ぼします。液中におけるタッピングモードは、大気中のタッピングモードのように安定には決して見えませんが、これがその理由の一部です。 総合すると、液中におけるblueDriveの利点は、液中のタッピングモードイメージングの操作を、大気中で期待される簡単で安定な操作に、さらに近づけたことにあります。


12) blueDriveは高速スキャニングでしょうか?#Questions

blueDriveはある特定のイメージングモードではなく、むしろすべてのタッピングモードテクニックに共通の新しいプローブのドライブメカニズムです。しかしながら、blueDriveにより、低ノイズと高速スキャニング能力を提供することで知られている微小レバーを高い信頼性のもとに利用することが可能になります。微小レバーを圧電音響励振で、クリーンで実効的にドライブするにはより大きな課題があります。blueDriveは少なくとも8MHzのドライブ周波数が使えることが実証されていて、そのカンチレバー応答はkHzの周波数のときと同じように、MHzの周波数でもクリーンで完璧です。


13) blueDriveは大気中で役立ちますか?#Questions

役立ちます。すでに議論したすべての利点は、大気中の操作にも生きてきます。圧電音響励振を使用する際は、大気中では共振のクオリティファクター(Q)がより高いと、共振ピークが狭く、より高くなるために、液中でよりもそのチューンがよりきれいに見える傾向にあります。しかし同種の歪みはまだ存在し(チューンカーブのY軸をLogスケールで見るとよくわかります)、使い勝手、安定性、共振の定量的な解釈に影響を及ぼす可能性があります。


14) blueDriveに何か欠点がありますか?#Questions

ありません。blueDriveには、実際に欠点はありません。既に議論しましたように、より進歩したテクノロジーであるにもかかわらず、blueDriveは圧電音響励振に比べてより簡単に使用できます。性能の観点からは、圧電音響励振に対する改善にすぎませんが、とりわけ液中の性能には劇的なものがあります。 制限があるとすれば、小さな制限がひとつ。金コートプローブが最高の性能を発揮して高い振幅を達成することができ、アルミコートのプローブは互換性がないことぐらいです。実務的には液中イメージングで一般的に利用されるあらゆるプローブは、標準で金コートされています。大気中のタッピングモードイメージング用の硬めのプローブは、金コートしたものは一般的にあまり出回っておらず、コートされていないものが大部分ですが、これらはblueDriveに利用できます。


15) ブルーレーザーはどうやって合わせるのでしょうか?#Questions

調整は容易です。こちらに解説しています。


16) blueDriveはMFP-3D AFMで利用できるでしょうか?#Questions

残念ですが、できません。Cypherはモジュールの光学パス設計を採用しています。それにより装置の全体の再設計を行わずにblueDriveを導入することが可能でした。


17) どれぐらいの振幅をドライブできますか?#Questions

カンチレバーごとに異なります。カンチレバーの中には非常に大きい光熱応答を持つものもあれば、小さいものもあります。金コートカンチレバーで、振幅レンジは数10nmから数μmの間です。


18) どれぐらいの周波数をドライブできますか?#Questions

>10MHzのカンチレバーをドライブできますが、光学ビーム振れ検出器システムの周波数特性のロールオフが8MHzであるために、8MHzを超える周波数は保証しておりません。下のグラフは>200nmの振幅で、〜5MHzでドライブされたUSC-EBDカンチレバー(NanoWorld社製)の例を示しています。




19) blueDriveのレーザーの波長として405nmを選択したことには特別な理由があるのですか?#Questions

いくつかの実際的な理由があります。まず405nm光は金に良く吸収され、光熱応答の効率を上げます。標準の振れレーザーは近赤外にあり、たまたま金に対して良い反射特性を示しています。これは理想的な状況にあり、光熱レーザーは強く吸収され、振れレーザーは強く反射されます。405nmの選択は探針とサンプルの高品質な光学ビューを維持するのにも好都合です。405nmレーザーとIR振れレーザーの両方はフィルターを通さないと、カメラを飽和します。可視スペクトルの両端の2つの波長を使っているために、良好なカラーバランスを維持しつつ、レーザー光の強度を下げるのに単純なバンドパスフィルターを使用することができます。最後に、可視スペクトル内にとどめたことにより、通常のオプティクスが使用でき、より長い波長やより短い波長で生じる透過性や収差の問題を回避できています。


20) ブルーレーザーのスポットをカンチレバーに沿って精密なステップで正確に移動できますか?#Questions

通常、ブルーレーザースポットは、ソフトウェアインターフェースの矢印ボタンをクリックすることによって移動します。これによりスポット位置を精密に、サブミクロンで位置決めでき、光学ビューでモニターすることができます。

もっと精密な位置決めを必要とする特別な目的がある場合には、レーザーの位置を25nmのステップサイズの精度でプログラムにより移動させることもできます。これにより、例えばカンチレバーの長手方向に沿ってステップさせ、精密なそのポイントでカンチレバー応答のチューンを収集することができます。


21) ブルーレーザーの位置を決める際に、プローブ上で優先的な位置はあるのでしょうか?#Questions

幸運なことに、たいていの場合において最適な位置は非常に単純で、しかも一貫性があります。上述の通り、一般的にはブルーレーザーをカンチレバーの中心線に沿ってカンチレバーの根元に合わせる必要があります。これにより探針の加熱を最小限にし、振幅応答を最大にします。この同じ場所が1次の共振の励振に使えるだけでなく、必要に応じて高次のモードにも使えます。

もっと一般的にいえば、位置の依存性があり、それを容易にマップすることができます。通常の利用では必ずしも必要ではありませんが、これにより面白い可能性を提供します。例えば、ある場所で、与えられたモードに対するその応答は強くなる可能性があり、他方別のモードでの応答は最小になる可能性があります。こうした応用に利用できます。




22) レバーの根元にブルーレーザーを照射することを推奨する理由は?#Questions

その光熱効果はカンチレバーの局所加熱とそれによる曲げ誘起に依存します。その理由は、カンチレバーの上側が、(より冷えている)カンチレバーの下側よりもより延伸するためです。この効果は、加熱により延伸するコートがカンチレバーにある場合には、増大されます。共振で振動しているカンチレバーの形状は、その根元近くで最も曲がる量が大きくなるために、ブルーライトの最大効率を発揮する位置はカンチレバーの根元になります。


23) 光量子の圧力はカンチレバー発振をドライブする上でどんな役割を果たしていますか?#Questions

光熱効果(熱的に誘起されるカンチレバーの局所的な曲げ)は、テストしてきた全てのカンチレバーに対して、光量子圧力による寄与よりも大きい影響力をもっています。金コートされたカンチレバーでは、光熱効果は数桁も大きくなります。

光熱vs光量子圧力誘起のカンチレバーの曲げの間の定性的な差異は、ブルーライトの位置に依存します。光熱効果は、ブルースポットがレバーの根元にあるときに最大になり、他方光量子圧力はレバーの先端にあるときに最大になります。いずれにしましても、当社では光熱効果が光量子圧力を大きく上回る、レバーの根元にブルーライトを照射することを推奨します。


24) カンチレバーはなぜ1kHz以下と8MHz以上で励振できないのでしょうか?#Questions

コートしたカンチレバーに対しては、光熱応答は実際には低い周波数で最大になります。したがって、原理的にはずっと下げた0Hzまで光熱的にカンチレバーを励振することが可能です。1kHz以下のカットオフは、技術上の理由から選択されたものです。これにより、起動時のblueDriveパワーを即座に調整するために、数100Hzのバンド幅でブルーライトのDCパワーの測定ができ、そのブルーライトのDCパワーを安定に維持する指標を提供できるようになりました。1kHzを下回る周波数でblueDriveを操作することは技術的には可能ですが、標準のソフトウェアパッケージではサポートしていません。

共振周波数で最大8MHzまで非常に効率的にカンチレバーをドライブすることができ、更にずっと高い周波数でドライブすることもできます。しかしながら、カンチレバーの発振を測定する光検出器は8MHzあたりでロールオフし、そのために8MHzを大きく上回るドライブ周波数でカンチレバーを利用することはできません。


25) blueDriveはCypherの標準装備品ですか、それともオプションですか?#Questions

blueDriveはCypher AFMのいずれに対してもオプションになります。既存のCypherでもblueDriveを後付することができ、互換性があります。


26) blueDriveは高電圧CypherやCypher ESに互換性がありますか?#Questions

あります。blueDriveはCypher AFMの全ての機種に互換性があります。ブルーライトは検出器レーザーと同様に対物レンズを通してカンチレバーに焦点合わせが行われるからです。そのために、blueDriveはCypherの既存のハードウェアやアクセサリーと干渉することはありません。


27) blueDriveでV型カンチレバーを励振することができますか?#Questions

できます。blueDriveでイメージングを行うために、通常V字のカンチレバーを選択することはありませんが、三角カンチレバーをblueDriveで容易にドライブして素晴らしいイメージをとったことがあります。blueDriveはカンチレバーのいずれかのアームの根元付近に焦点を合わせます。


28) blueDriveは、圧電ドライブに比べて、カンチレバーの頻繁な交換が必要になりますか?#Questions

いいえ。このドライブメカニズムは圧電ドライブよりも、特に液中ではより安定であるために、実際に、探針はblueDriveではよりシャープなまま維持されます。blueDriveはそのイメージングフォースをより上手くコントロールすることが可能であり、振幅のセットポイントが安定に維持されるために、探針の損傷を回避します。例として、下図はマイカの一晩の連続スキャンのイメージを示していて、液中のblueDriveの安定性により、人の介入がなくてもCypherで12時間、原子分解能のイメージがとれています。最後のイメージに注目してほしいのですが、12時間イメージをとり続けても、原子欠陥が見えています。このことから探針の原子的なシャープさが保持されていることが証明されています。